養子の娘と妻と3人で行ったフォトスタジオ

養子の娘と妻と3人で行ったフォトスタジオは素敵な場所だった

僕は39歳で同い歳の女性と結婚した。遅い結婚だったので、子どもはつくらないことにしていた。でも僕も彼女も子どもが好きだったから、いつも「あと10年早く出会ってればよかった」という話をする。29歳で結婚して子どもが生まれていれば、小学校の高学年だ。どうしても僕たちは、その位の歳の子どもがほしくて、児童相談所で養子縁組の事を相談してみた。様々な手続きがあって、大変だったが、里親制度を利用して、小学4年生の女の子を養子にもらうことになった。その女の子は、生まれた時から両親がいなくて、ずっと施設で育ってきた子だった。だから僕たちは、その子の本当の親になろうと決めた。

女の子が僕たちの家に来た初日、3人でフォトスタジオに行って、家族写真を撮った。あれから2年が経ち、娘は来年中学生になる。たった2年でも僕らは本当の親子のようになった。娘は僕のことは「お父さん」、妻の事は「お母さん」と呼ぶ。娘はもう養子ではなく僕と妻の子供同然だから、人に娘のことを聞かれると養子とは言わずに、我々の娘!と言うようにしている。休みの日は家族3人で、ドライブしたり、食事や買い物に行ったりして、楽しい時間を過ごした。そして娘の提案で、またフォトスタジオに行くことになった。

フォトスタジオのおやじさんは、僕たちのことを覚えていてくれただけでなく、当時の写真を壁に飾ってくれていた。僕は「お久しぶりです」と挨拶した。おやじさんは「娘さん大きくなりましたなあ」と言い、僕たち家族は、また記念写真を撮ってもらった。娘は帰りの車の中で「わたしカメラマンになりたいなあ」と言い、僕と妻はゆるんでいた頬がさらに緩んだ。